はみ出し者に聞いてほしい The Skintsというバンド
The Skints UKパンクとレゲエ・スカ・DUBのミックス！大人の余裕がある洒落乙バンド
――とりあえず、聞いてほしいバンド。の話
Sublimeというアメリカ西海岸出身のバンドが好きで、10代の頃から熱狂的なファンなのだが、残念なことに私が最初に『Santeria』を聞いた時にはボーカリストのBradはなくなっていた。世の中にはタイミングというものがあるし、どうしようもないこともあるが、それを他者に諭されて納得できるほど、お利巧な人間ではない。
きっと、テレビやネットの中で"票数"を得ている、多数派のそれらしい意見を支持しながら生きていけば、効率よく自己をかき消すことができるし、染まっていけば迷うこともない。おまけに、多数派のお仲間になることができる。そうして、誰かが決めた善悪に従って、承認欲求に導かれるままに、はみ出し者を糾弾していけば、たちまち正義の味方になれるだろう。
もし、私と同じはみ出し者がいれば、The Skintsというバンドを聞いてみてほしい。自由で、ハッピーで、時にヘヴィなサウンドが心地よい。Sublimeとは異なった、どちらかというとお洒落で大人の余裕さえ感じさせてくれるバンドだ。
彼らがTwitterにどっぷり浸かって、週に一回週刊誌が捧げる「芸能人のスキャンダル」という餌に群がっているうちに、我々はみ出し者はこうしたカッコいい音楽をひたすら聴いていくというのはどうだろう。それが嫌な人はいつだって針を上げてもらって構わない。
私は気合の入ったストリートの人間ではないし、もっとゲームを楽しみたい。ひたすらに音楽が好きなゲーマーでしかない。私はそうした考えにストリートと同じ匂いがするのだけれど、この匂いを他者に嗅いでもらおうとか、分かってもらおうという都合の良いことは考えていない。でも、私のように音楽がめちゃくちゃ好きなゲーマーの中には同じような息苦しさや肩身の狭さを感じている人間もいるだろう。そうした人々に、The Skintsを聞いてほしい。『スプラトゥーン2』には合わないだろうが、『ファイナルファンタジー14』には合うだろう。多分。
もし、聞いてくれたなら、リリックが、サウンドが、などという難しいことは分からなくていい。分かる人はそれを考えてもらって構わないが、分からない人にも感謝を述べる。聞いてくれてありがとう。
